ヒヨドリの渡りの季節と方法を絵本で知ろう「きょうはたびびより」

こんにちは。SHIORI BOOKSめぐみです。

本日ご紹介する本は「きょうはたびびより

身近な野鳥であるヒヨドリが命がけの渡りに挑みます。

「ヒーヨヒーヨ」と普段のんきな彼らも、生きていくために住む場所を変えているんですね。

そんな渡りの様子をわかりやすく伝えてくれる絵本です。

消しゴムハンコによって丁寧に描かれた1頁1頁に、心打たれるはず!

もくじ

「きょうは たびびより」ってどんな本?

きょうは たびびより
福音館書店 ちいさなかがくのとも 2017年10月号
  • 著者:とうごうなりさ
  • 初版年月日:2017年10月1日
  • ページ数:24ページ
  • ジャンル:絵本

日本全国、住宅地から山地まで、だいたいどこでも見られるヒヨドリ。群で集まると「ヒーヨ、ヒーヨ」となかなか声が大きくてやかましい…そんな身近すぎて普段はあまり眼が向かない鳥がこの絵本の主人公です。

実はこのヒヨドリ、地域によっては渡りをする鳥なんです。渡りとは、季節によってすむ場所を変えるために長距離を移動することです。鳥たちにとって渡りは命がけの大移動。ヒヨドリたちが「きょうはたびびよりだ」と海を渡ろうしたところにハヤブサが現れます…

こんな人に読んでいただきたい絵本です

風でめくれるページ

ヒヨドリがキライなひと

渡りの大冒険をきれいなハンコ絵で楽しんでください! ちがう一面を知ることができ、親しみを感じることができるはずです。

消しゴムはんこづくりが趣味な人

この作品は消しゴムはんこと版画で制作されています。ヒヨドリのはんこだけでも何と100種類以上作られたのだとか! 新たな表現の方法に触れて創作の可能性を広げてください。

3歳以上の人ならだれでも

ストーリー、ハンコで描かれた緻密な絵、ともに心に残りる一冊です。「ちいさなかがくのとも」シリーズのえほんです。

わたしが好きなページと言葉

こちらを向くヒヨドリ

「なみのうえ すれすれを とべば、 ハヤブサに みつからない」 「みんな いっしょに かたまって」

(P18-19)
めぐみ

ヒヨドリが群をつくって、海峡を渡るシーン。ヒヨドリたちが波を打つように飛んでいて、1羽ずつダイナミックに表現されています。その数大小合わせて250羽以上!(数えました)

「おれは すこし やすんでいく」もういちわが いった。「よい たびを」みんなが くちを そろえた。

(P24)
めぐみ

海を渡り向こう岸にたどり着いたヒヨドリたち。実際に、ヒヨドリ語ではこんな会話をしているのかもしれません。

まとめ:身近な鳥も命がけで生きている

梅とヒヨドリのイメージ

とうごうさんの鳥の絵は、水辺や草原、空の背景のなかに溶け込んでいるところが、いいなあと思います。3年前に新潟県の福島潟で個展が開催されたので、これは行かねば!と胸いっぱいになりながら原画の世界に浸らせてもらいました。

どうしたらこんな美しい色を生み出せるのだろう、この色は何と表現すればいいのだろうと、絶妙な色づかいにうなってしまいました。

絵本でもそのすばらしさは伝わってきます。

絵本の付録に、おおきなひとのためのヒヨドリについて解説があります。それによるとヒヨドリの秋の渡りは9月後半から10月前半ごろとのこと。時間帯は午前中の早い時間のほうが多く見られ、晴天の日が観察に適しているそうです。

この作品のように海を渡るポイントは全国各地にあり、北海道の白神岬、千葉県の富津岬、愛知県の伊良湖岬、愛媛県の佐田岬などが有名とのことです。(解説:山口恭弘さん)


とうごうさんは、地元神奈川県の真鶴半島で、ヒヨドリの渡りを観察したときの様子を描かれました。私の住んでいる町でも、ここ最近は5-8羽程度のヒヨドリの群をみかけます。なかにはまだ表情にあどけなさが残る今年生まれの幼鳥も混じっています

もうすぐ彼らも冬越しのため南へ渡っていくのかもしれません。

めぐみ

この作品を見て興味を持ったら、渡りの観察に出かけてみてくださいね!

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

もくじ