もっともおしゃれなパリガイド「ジス・イズ・パリ」

こんにちは。SHIORI BOOKSめぐみです。

今回ご紹介する絵本は、60年も前の1959年に描かれた名作シリーズ「ジス・イズ・パリ」です。この絵本は驚くべきことに、絵や内容に古臭さはないし、現在もパリのガイドブックとしても通用してしまいます。

絵本とあなどるなかれ.。普遍的なパリの街を知ることができる一冊です!

もくじ

「ジス・イズ・パリ」(This is Paris)ってどんな本?

「ジスイズパリ」の表紙イメージ
https://www.amazon.co.jp/
HPアマゾンより画像転載
  • 著者:ミロスラフ・サセック 訳:松浦弥太郎
  • 初版年月日:1959年 復刻初版:2004年10月
  • ページ数:60ページ(復刻初版)
  • ジャンル:絵本

旅する絵本作家のサセックさんによる世界中のすてきな都市を描いた「ジス・イズ」シリーズの第一作が本作。

街を流れるセーヌ川、パリジェンヌ、パリジャンの日常の拠点となる地下鉄や市場、世界中から訪れる歴史・文化的に貴重なルーブル美術館やエッフェル塔などが60ページにわたり紹介されています。

今回ご紹介する本は復刻版で、巻末に「ジス・イズ・パリ……の今!」と題して、復刻版発行当時の新しい情報が加えられています。

「ジス・イズ・パリ」(This is Paris)こんな人におすすめします!

エッフェル塔のイメージ画像

パリの歴史や地理を旅行前に学びたい人

「リュクサンブール庭園」、「サクレ・クール聖堂」など地名や建造物を覚えるのにも役立ちそうです。すべての漢字にルビがふられています。

パリに行ってみたいけれど、行く予定がない方 

地球の歩き方やロンプラなどのガイドブックを読むよりもパリの雰囲気を味わえると思います。

印象に残るページとことば

ルーブル美術館のイメージ

長い パンを、杖の ように、持って 歩く、老婦人。

「ジス・イズ・パリ」(P11) ミロスラフ・サセック 訳:松浦弥太郎
めぐみ

私はパリで、フランスパンを脇に挟み友人と並んで歩くパリジェンヌに遭遇し「本場っぽいー!」と興奮!
ところがその直後、パンがするりとすべって石畳の道に落下!フランス語で「オーマイガー!!」、「やれやれ」みたいな表情で慰め合っている様子。私は「フランスっぽいもの見せてもらったなあ」とおのぼり気分でした。

ノートルダム寺院。

ここは、百年戦争での イギリス王ヘンリー6世や、ナポレオンの戴冠式など、数々の 歴史の 舞台にも なりました。

「ジス・イズ・パリ」(P13) ミロスラフ・サセック 訳:松浦弥太郎
めぐみ

夕暮れ時、ノートルダム寺院のそばに座って道行く人たちを眺めていると、観光客グループが、私の近くに腰かけていた女性に写真を撮ってもらうよう頼んだんです。頼まれた女性はノートルダム寺院全体が入るように、地べたにお尻をつけて、どうにか、こうにか、ベストのアングルを探そうと奮闘していました。
撮る人・撮られる人どちらもはにかみ合う平和な光景でした。

※2019年4月にノートルダム寺院で火災が発生しました。再建のために寄付を募ると、1週間で世界中から8億ユーロ(約1,035億円)集まったそうです。
現在は一般公開はされていませんが、修復作業は進んでいるようです。

ノートルダム寺院から 少し 離れた 広場では、毎週 日曜日に バード・マーケットが開かれています。

「ジス・イズ・パリ」(P14) ミロスラフ・サセック 訳:松浦弥太郎
めぐみ

私の現地最終日が日曜で、このバード・マーケットと切手市のどちらに行こうかさんざん迷って、こちらを覗きに行きました。小さな鳥かごに入れられた鳥たちを見るのは、正直なところ「自分含めてナンセンスだなあ」という気分に陥りましたが、小鳥の食べ物となるヒエやアワなどの雑穀が、房についたままお店の入り口に吊るされているのは、おしゃれでした。
日本では、ホームセンターのペットコーナーで袋に入った状態でしか見たことがなかったので、ちょっと新鮮でした。

※こちらのシテ島のバード・マーケットは、動物福祉の観点から2022年12月末で永久に閉鎖されるそうです。
1881年から始まった小鳥市で歴史は長いのですが、現代にはそぐわないので、閉鎖は当然の判断かなと思います。

まとめ: その街の本当の景色を楽しみたい

パリでバイクに乗る人のイメージ

作者のミロスラフ・サセックさんは1916年当時のチェコスロバキア生まれで(現在チェコ)、1980年に60歳で亡くなりました。世界の都市を旅しながら、この「ジス・イズ」シリーズを18冊出版されました。

もし、サセックさんが来日されていたら、どんな日本を描かれたでしょうね。富士山、白川郷、法隆寺、広島原爆ドーム、町屋敷に城下町・・・。まあこれは願っても叶いませんが、どう日本を切り取るのか想像してしまいます。

私が妹と駆け足でパリを旅行したのは11年前の11月で、紅葉がきれいな季節でした。

アンジェリーナの本店で食べたモンブランは、口に入れた瞬間、トロっと口のなかで溶ける舌ざわり!衝撃的なおいしさでした…!オーダーを取りに来てくれたウェイターには、「どうせ日本人はモンブランとミルフィーユでしょ!」とすべてお見通しだよ的なことを言われ、典型的な観光客の自分たちに照れ笑い。

早朝のまだ日が昇らない暗い時間帯に、ホテル近くのパン屋さんに行列を作って並んでいる地元の人の姿もさすがフランス!だなあと思いました。パジャマにガウンを羽織ってでも、朝は焼き立てのパンを食べたいんだなあと食へのこだわりの文化を感じました。

年輩の男性グループが街中の小さな公園で、鉄のようなボールを投げて遊んでいるのは、「ペタンク」というゲームだったのだとあとから気づきました。もっとじっくり見学させてもらえばよかった。

旅の思い出は、観光地で見たことよりも、店員さんや駅員さんと交わしたちょっとした会話やアイコンタクト、街の人の姿や電車内で行き会った人のしぐさなど、そういう何気ない日常のほうがずっと印象深く残りますね。10年以上も昔のたったの6日間のパリでの出来事を手繰り寄せては、心のなかで反芻しています。

当時もお金に余裕があったわけではないけれど、あの時行っておいてよかったとしみじみ感じています。

めぐみ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからも私が「いいなあ!」と思った本をご紹介していきます。

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