こんにちは。SHIORI BOOKSのめぐみです。
本日ご紹介する本は「カラスの教科書」
「え!?カラスに教科書ってあったんだ!」とお思いでしょう。
あるんですよ、これが。
これを読めば楽しくカラスのお勉強ができちゃいます。
いつも身近にいてくれるので、すぐに観察に出かけられますよ!
「カラスの教科書」ってどんな本?
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/21422dd0.c53e781b.21422dd1.4aceb341/?me_id=1213310&item_id=17820627&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F3575%2F9784062933575.jpg%3F_ex%3D240x240&s=240x240&t=pict)
- 著者:松原始 植木ななせ(イラスト)
- 初版年月日:2013年1月20日(単行本)/ 2016年3月15日(文庫本)
- ページ数:361ページ(文庫版)
- ジャンル:自然科学
動物行動学が専門でカラス研究者である著者が、平易なことばと軽妙な語り口でカラスの生態について教えてくれるおもしろい本。
ページ数は多いですが、サラッと読めてしまいます。著者によるカラスのスケッチと植木ななせさんのイラスト「カラスくん(5歳)」が、ふんだんに登場しそれらを見ているだけでも楽しめます。
カラスくんが、巣材としてよく使われるハンガーをしおらしく両腕に抱えたり、「マヨラー」としてチューブを大切に持っているイラストが特にお気に入りです。
こんな人に読んでほしい一冊です
![本とメモ帳のイメージ](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2023/09/open-book-1428428_1280-3-1024x769.jpg)
カラスがキライな人
この本を読むとむしろちょっと好きになるかもしれません。毎日目にする鳥なので、嫌いでいると何かとつらいものです。生態を勉強して
バードウォッチングしたい人
カラス観察も立派なバードウォッチングになります。珍しい鳥を追いかけることだけが野鳥観察ではありません。大切なのはその鳥への愛情です。
鳥獣被害対策の担当者
まさに「カラスの教科書」なので、マニュアル作成等の手助けをしてくれるはずです。引用できるところだらけです。
印象的なページと一節
![じっと見つめるカラス](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2023/09/bird-2071185_1280-1024x682.jpg)
テキトーで気まま、馴染みの街に繰り出せば、どこにでも顔見知りがいる。腹が減ったらその辺でフライドポテトとマヨネーズ。気の合う仲間とつるんで、飯食って水浴びして遊んでおやつ食って、日が暮れたらどっかで寝る。それが東京の若いカラスの日常である。
(文庫P67)
「カラスのペアの熱愛ぶりは見ていて微笑ましい、のを通り越して腹がたつほどで、「イチャついている」としか言いようのないバカップルぶりを披露してくれる。」
(文庫P70)
![](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2021/09/zen5.png)
羽繕いしあったり、見つめ合ったり、こっちが恥ずかしくなるほどのイチャつき様にはほんとに目も当てられません!
私はそんな姿を見たとき「ラブカラス!」とぼやきます…
「(中略)わかってきたのは、西表島のカラスは明らかに小さいということだ。黒島、波照間島のカラスは大きい。」
(文庫P157-158)
![](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2021/09/zen5.png)
![](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2021/09/zen5.png)
![](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2021/09/zen5.png)
これは、著書が八重山諸島に生息するオサハシブトガラスを調査中に、島によってカラスのサイズに違いがあることに気づいたときの一文です。今回この本を読み返して、やっぱり地域で個体差があるのか!と妙に納得してしまいました。というのも、私が今住んでいる町のハシブトガラスは、前に住んでいた町のよりも明らかに小さいと感じていたからです。
まとめ:カラスにも彼らの都合がある
![枝先にとまるカラス](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2023/09/raven-4874366_1280-1024x683.jpg)
![枝先にとまるカラス](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2023/09/raven-4874366_1280-1024x683.jpg)
このSHIORIBOOKSの「この本読んでみて!」のタイトルどおり、カラスがちょっと苦手という友人に、自分が持っていたこの本をあげました(てか押しつけました)!
なので手元にあるのはあらためて買った文庫版になります。
この本を読んでから、誰に頼まれたわけでもないのにハシブトガラスかハシボソガラスかを1羽ずつ識別するようになりました(たぶんこの本を読んだ方はきっとそうなるはず!)。
これまでカラスに対しては「好き・きらい」の感情を抱いたことは一度もありませんでしたが、ハシブトガラスとハシボソガラスの行動のちがいがわかるようになると楽しくなり、気が付いたらすっかりカラスファンに!
巣で卵を抱いているハシボソガラスを見つけたことがあります。私の存在に気づいたカラスは、無理な態勢で背中を逸らせました。その時に感じたのは「絶対に人間と目を合わせるものか!」という気迫みたいなピリピリした感じ。
こっちも怖いけど、カラスも人が怖いんですよね。
![](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2021/09/zen5.png)
![](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2021/09/zen5.png)
![](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2021/09/zen5.png)
著者の松原さんのように、長年のフィールドワークと研究を通して知り得たことを、楽しくわかりやすく伝えてくれる研究者が増えてきていますね。今後もこんな本がたくさん世に出てほしいなと思います。
コメント
コメント一覧 (1件)
イラストが気になるので、さっそく本屋さんに探しに行きます!
そして、ラブカラス見つけたいです。
プロフィールも拝見しました。
いろいろなご経験をされてるからの、いろいろな本のラインナップなのですね。
更新楽しみにしています。