子どもの気持ちがわからなくなった時に読みたい「小さいわたし」

こんにちは。SHIORI BOOKSめぐみです。

今回ご紹介する本は、イラストレーターの益田ミリさんの新刊エッセイ「小さいわたし」です。

益田ミリさんのマンガの登場人物は、子どもの頃の楽しい思い出も、そうじゃない悲しい不安だった時の思い出も、大事に心にしまっている人が多い気がします。

きっと作者のミリさん自身が、子どもだった頃の自分を大切にしているのでしょう。そんな気持ちが伝わる温かいエッセイです。

もくじ

「小さいわたし」ってどんな本?

https://honto.jp/ 
hontoHPより画像転載
  • 著者:益田ミリ
  • 初版年月日:2022年6月
  • ページ数:173ページ
  • ジャンル:エッセイ

子どもだったミリさんは、まわりの子と自分の持ち物の大きさが違ったらどうしよう、おへそから芽が出てきたらどうしよう、カミナリが髪留めに落ちたらどうしようなど、小さな不安や悩みごとばかり。

そんな日常で大きな事件も起こらず、友だちと空想の世界で遊んだこと、パパ、ママ、妹と過ごしたいつまでも忘れたくない幼かった頃の思い出や気持ちが綴られています。イラストがカラーでたくさん収められているのも見どころです。

「小さいわたし」こんな時におすすめします!

子どもに戻りたくなった時に

一度立ち止まって、心のなかにある子ども時代の気持ちにそっと寄り添ってみてください。 

子育てに疲れた時に

こども時代は本当に短いものです。長い人生のほんのひととき。なのにプリンのカラメルソースみたいにほかの部分とはちがう特別な存在です。ひとがいきなりおとなに生まれるのだとしたら味気ないにちがいありません。(あとがきより)    

心に残るページとことば

わたしには心配なことがあった。買ってもらった新しいリュックサック。みんなと同じ大きさかどうか知りたかった。

わたしのだけ大きかったらどうしよう。

「小さいわたし」(P78)益田ミリ
めぐみ

みんなと一緒じゃないことが、それほど不安だったのか~と思いました。今でいう周りから浮いていないか心配だったのですね。私は牛乳を飲んだ後に、上唇の両端に白いヒゲみたく必ずついてしまい「大人になっても白いヒゲが付いたら恥ずかしいなあ」と不安がっていました。心配不要でよかった。

お楽しみ会のくじ引きで、列に並ぶのに一足遅れて最後になってしまったミリ少女。
前にいる先生のところまでがうんと遠い。鼻の奥がツンとして、なみだがでないように自分のうわばきをじっと見ていたところ…

そうしたら先生のくつが見えた。先生がわたしの前に立っていた。先生はわたしの顔を見ていた。そしてみんなの前で言った。

「最後に並んでえらかったな!」

先生、わたしね、わざと最後に並んだんじゃないんだ。

でも、そのことは内緒にしておいた。代わりに大きな声で「うん!」と返事した。

「小さいわたし」(P141)益田ミリ

うちに近所のおばさんが来たので、わたしは走っていって「ほら!」とほうたいの指を見せた。

「小さいわたし」(P149)益田ミリ
めぐみ

子どもって包帯好きですよね!私も母に、無傷の腕に包帯を巻いてもらっていました。眼帯は憧れのアイテムでした!あと果物を保護する白い網のネット!あれもよく腕に付けていたなあ

まとめ:作家益田ミリの魅力がつまった本作

ミリさんは、姉と妹と時々母も加わり4人で「回し読み」する作家のおひとりです。

一度姉と私が「すーちゃんシリーズ」の新作をバッティングして購入した時以来、本屋さんで新作を最初に見た人がその場で、「ミリさんの買うから!!!(買わなくていいよ)」というメッセージを送り合うのが恒例になっています。

推しの作家を応援するなら、それぞれ手元にあってもいいんですがね、、。本にいくらでもお金をかけられる生活を送ってはいないので、ミリさんのように人気作家さんは1家族につき一冊、浮いたお金で駆け出しの作家さんの本を購入したい、応援したいという気持ちになるのです。

ミリさんの作品に出てくる人たちは、みんな私たちとどこか似ているし、普段の日常を描いているから、誰しもが同じような経験をしているんですよね。だから、ふと、作品を通して自分の過去の記憶を手繰り寄せて思い返したくなるんですよね。

そんなところが益田ミリさんの魅力だなと、いまあらためて思いました。

めぐみ

最後まで読んでくださってありがとうございました!
これからも「あー読んでほしいな!」と思う本をぼちぼちご紹介していきます。

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