室井滋のエッセイ「東京バカッ花」を読んで大学生活を思い出す

こんにちは。SHIORI BOOKSめぐみです。

本日ご紹介する本は室井滋著「東京バカッ花」。

女優、バラエティ、声優、エッセイストなど幅広く活躍する室井滋さんが悲喜こもごもだった大学生活を描いたエッセイです。

それぞれに違う青春があるとは思いますが、誰が読んでも懐かしく温かく感じる、

そして、笑える泣けるそんな名エッセイです。

もくじ

「東京バカッ花」ってどんな本?

  • 著者:室井滋
  • 初版年月日:1994年5月
  • ページ数:189ページ
  • ジャンル:エッセイ

女優室井滋さんのエッセイシリーズ第三作。早稲田大学に進学するため富山から上京し、7年間の大学生活を綴った青春エッセイ。

1970年代後半~80年代前半当時の早大には、全国の地方から集まったバラエティ豊かな同窓生のほか、年齢不詳のバンカラな先輩も多かったようです。そんな大学仲間との交流と「表札」「怪しい清涼飲料水の試飲」の訪問販売、「うぐいす嬢」、「セールス電話」などのアルバイト経験談、初めての一人暮らしの生活で起きたハプニングが面白おかしく、時に鼻の先がツーンとするようなエピソードが20本収められています。

こんな人に読んでもらいたい

並べられた本と黄色の背景

いま大学に通っている人

現代のオジサンオバサンは「若気の至り」の道を通過して、大人になりました!(決して昔からオジサンオバサンだったわけではないのです笑) それを知ることができると、大人の見方も変わってきて優しくできるはずです。        

『東京バカッ花』をこれから上京してくるあなた、在住して頑張ってるあなた、そして東京をもう後にしたあなたに捧げたい。

本書あとがきより引用しました。

地元を離れ東京で学生生活を送ることは、とても幸せなことだと思います。ちょっとうらやましくも感じます。

心に残るシーンとフレーズ

古書店のイメージ画像

「(中略)その時はお前、この本を古本屋さんに持っていって、お金に換えてもらい、そのお金でしばらく暮らしてゆきなさい」

「東京バカッ花」室井滋著 P56より

上京するとき、月末に毎月8万円仕送りをすると約束したお父さん。でも万が一送金されなかった場合はと、この言葉とともに一冊の本を娘に託します。

当時の室井さんは、その本の価値がわからず興味もなかったのですが、約10年後、本に詳しい友人が、その本が無造作に室井さんの部屋にあるのを見て興奮します。


「これって、今は百万とか二百万とかの世界じゃない……」

「東京バカッ花」室井滋著 P61より

その本は、昭和12年に発行された太宰治の『斜陽』で『太宰』と押印がある、なんと初版本でした。

実は室井さんが大学4年生の時、お父さんは48歳の若さで急逝しました。

お父さん自身がかつて小説家志望の早大生で、娘が入学したころはよく上京し、早稲田界隈をぶらぶら歩くのが嬉しかったようです。最初は、室井さんもお父さんの古本屋巡りに付き合ったり、古い友人に一緒に会いに行ったそうですが、次第に大学や東京の暮らしに慣れ、自分の世界に夢中になるうちに、お父さんの上京回数も減り、そんななかの突然の別れでした。
お金に苦労した学生時代に、お父さんの形見となってしまったその本をよくぞ売り飛ばさなかったと、室井さんは胸をなでおろします。


いまその形見は桐の箱に納められ、銀行の貸金庫の中で保管されているそうです。

まとめ:それぞれの学生生活があってどれもおもしろい

大教室の講義

私がこの作品を最初に読んだのは、高2の頃でした。

読み終えた感想は、「東京の大学生ってパワフルだなー、毎回ドラマのような奇抜なことが起こるんだなー」でした。

めぐみ

北海道の田舎の高校生には、刺激が大きかった…。

私は高校卒業後、本州の田舎の学校に通ったので、室井さんのようにキラキラした学生ではなかったけれど、この本に自分の学生生活を重ねていたような気がします。

私も数々の短期アルバイトを経験しました。

こんにゃくゼリーの詰め放題のマネキン(時代が物語ってますね)

客船の清掃

餃子製造工場

うぐいす嬢」など…。

いま振り返ると、それこそ室井さんのように自分にもおもしろいことが起きるかも…!と期待したりして、この本が無意識に頭の片隅にあったんだろうなあと思います。

予期せぬ今日の新型コロナウイルスの流行は、オンライン授業が取り入れられるなど、学業のスタイルも大きく変えました。このパンデミック初期の状況下に(2020年)入学した今の大学2年生が一番コロナの影響をまともに受けており、友だちとの交流も少なく、サークル活動の継承も危ぶまれる状況だと先日ラジオで聴きました。


高校生の時に思い描いていた大学生生活とは一味も二味も違うでしょうが、30代、40代とこの先、年齢を重ねて学生時代を振り返った時、いろんな制限があるなかでも「あの時は大変だったんだよ」と懐かしく語れるのではないかと思います。

めぐみ

今の学生の皆さんにも、たのしい思い出が一つでも多くありますように!と願っています。

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