こんにちは。SHIORI BOOKSの編集担当ナカムラです。
本日ご紹介する本は「ガリバー旅行記」
お恥ずかしい話ですが、40歳にして初めて全編を読みました。
小人の国のお話しか知らない人は、ぜひ最後まで読んでほしいです!
ジョナサン・スウィフト作「ガリバー旅行記」ってどんな本?
![](https://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/21422dd0.c53e781b.21422dd1.4aceb341/?me_id=1213310&item_id=11565905&pc=https%3A%2F%2Fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2F%400_mall%2Fbook%2Fcabinet%2F1745%2F9784834021745.jpg%3F_ex%3D240x240&s=240x240&t=pict)
- 著者:ジョナサン・スウィフト
- 初版年月日:1726年10月28日
- ページ数:訳書に依る
- ジャンル:小説
こんな人におすすめします!
![本を読む人](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2023/09/giancarlo-duarte-0aajGG8nqTU-unsplash-4-1024x683.jpg)
平易な文章なので子どもは純粋にストーリを楽しめます
大人にとっては社会風刺として一度は読んでおきたい本
小人の国のお話しか知らない人はぜひ全編読んでほしい!
印象的なシーンとフレーズ
![こちらを見る馬](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2023/09/horse-5836459_1280-1024x682.jpg)
馬(フウイヌム)の国を去るとき、ガリバーが主人である馬の蹄にキスをするシーン。
主人も少し脚を上げるところが、なんとも素敵かつ皮肉めいている。
私がひれ伏して、彼の蹄にキスしようとすると、彼は静かにそれを私の口許まで上げてくれました。
「ガリバー旅行記」原民喜訳より
![](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2021/09/taichi.png)
最後の馬の国では、これでもかと人間の卑しさが描かれています。
面白くもちょっと怖くなる最後の一編です。
まとめ:社会をどう見るかが問われます
![湖に浮かぶカヌー](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2023/09/lake-192991_1280-1024x682.jpg)
![湖に浮かぶカヌー](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2023/09/lake-192991_1280-1024x682.jpg)
※私が読んだのは原民喜訳講談社文芸文庫版になります。
コロナの影響で再び非常事態宣言が出てしまい、図書館に行くことができなくなった私は、本を読めるサブスクにも登録していないので、青空文庫(版権が切れた本を読めるサイトです)でまだ読んだことがない著名な本を探していました。
昔の本が多いのでどうしても読みにくいものが多く、最初の数行を読んだだけで次から次へと本を変えていきましたが、このガリバー旅行記だけは読み始めたら止まらなくなり、あっという間に最後まで読んでしまいました。
小さな視点から見る、大きな視点から見る、バランスを欠いた社会から見る、理想の社会から人間を問い直す、ネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、各章、ありえないフィクションであるにもかかわらず、とてもリアルに感じます。
とても簡単な文章を使って書かれていますが、主人公が新しい文化に入り込んでいく過程を省かずに、丁寧に説明してくれているからこそ、そのリアルさがこちらに伝わるのでしょうか。
とても不思議な力がある本だと思います。
主人公が新しい島に着くと、その島の住人と、お互いに様子を探り合い、指差しながら言葉を覚えていき、お互いの文化や社会を語り合い、そして比べたり馬鹿にしたり尊敬したり、各島で同じことを繰り返すのですが、たくさんの心の変化が主人公に起こります。
![](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2021/09/taichi.png)
![](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2021/09/taichi.png)
![](https://shioribooks.com/wp-content/uploads/2021/09/taichi.png)
漂流はもはやお約束。(笑)
あぁ、また漂流して変な島にたどり着くのね~
辛辣で退屈になりがちな風刺ですが、こんなにもスマートでユーモアに富んでいる。
読後もなんとも清々しい。
今でもヨーロッパで大切に読み継がれている理由はそこにあるのでしょうね。
英語版にも挑戦してみたいです。
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