『ぐりとぐら』作者の生い立ちと素顔

こんにちは。SHIORI BOOKSめぐみです。

今回ご紹介する本は、世界中で読み継がれている絵本「ぐりとぐら」の作家の自伝書「のこす言葉 中川李枝子 本と子どもが教えてくれたこと」です。

中川さんが私たちに伝えたいことは、本はつらいとき悩んだときに寄り添って支えてくれる存在であること、そして戦争はNO!ということのふたつです。

もくじ

「のこす言葉 中川李枝子 本と子どもが教えてくれたこと」ってどんな本?

「のこす言葉 中川李枝子 本と子どもが教えてくれたこと」の表紙イメージ
平凡社HPより画像掲載
https://www.heibonsha.co.jp/
  • 著者:中川李枝子
  • 初版年月日:2019年5月
  • ページ数:103ページ
  • ジャンル:エッセイ

「ぐりとぐら」「となりのトトロ」のオープニング曲「さんぽ」の作者である中川李枝子さんの自伝。

著者は少女時代に良書に囲まれながら育ち、戦争の体験を経て保育の道へ進みます。

保育士として培った経験から創作活動をはじめ、子どもの頃から影響を与えられていた作家で編集者の石井桃子さんとの出会いから共作に至るまでを振り返り、これからの子どもたちに伝えたいことを語りかけます。

こんな人に読んでほしい一冊です

積み重ねられたカラフルな本

「ぐりとぐら」シリーズのファン

実妹の山脇百合子さんとコンビを組んで生まれた名作の誕生秘話も出てきますよ! そして作家としての素顔にも触れることができるので一層「ぐりとぐら」を楽しめるようになるでしょう。

保育士などや子育てに携わるすべてのひとへ

中川さんが学生時代に実習で訪れた施設のホールには、1951年の子どもの日に定められた児童憲章の三原則が掲げられていたそうです。

児童は、人間として尊ばれる
児童は、社会の一員として尊ばれる
児童は、よい環境のなかで育てられる

中川さんのすべての作品の根底には、この児童憲章があるのかなと思いながら読みました。

印象的なシーンと文章

幼稚園の室内遊び場のイメージ

「まず、楽しくなくては子どもは来たがりません。そのためには保育する私たちも大いに楽しみましょう。それにこの仕事は楽しまないと、割が合いません」

「のこす言葉 中川李枝子 本と子どもが教えてくれたこと」(P58-59)中川李枝子
めぐみ

李枝子さんが新卒で保育士として働いた「みどり保育園」の天谷(あまや)園長が、面接のときにおっしゃた言葉。これから保育士を目指す私にも勇気をくれるひと言です。

国民学校の低学年だった私のただ一つの願いは「戦争のないところに行きたい」でした。が、このことは決して誰にも言わないで胸の奥に深くしまいこんでいたのを、今、思い出しました。

「のこす言葉 中川李枝子 本と子どもが教えてくれたこと」中川李枝子
めぐみ

巻末に中川さんの直筆で書かれた一文です

まとめ:誕生日に何かひみつが!?

筆と絵画のイメージ

私は「ぐりとぐら」シリーズの絵本が子どもの頃から大好きで、おとなになってからは、ぐりとぐらの豊かな生活に憧れています。

冬はそり遊びや毛糸を紡いだり家仕事をして過ごし、夏はキャンプに野菜の収穫、秋はお月見、木の実の収穫など季節や天気に抗わない暮らし、そして仲のよい兄弟(ぐりぐらは双子!)や気の合う仲間とのお食事会…理想です。

今回ご紹介した本を読んで、中川さんご自身がぐりとぐらのような暮らしをされているのかなと思いました。

ところで日本を代表する児童文学作家のおひとり、「魔女の宅急便」の作者の角野栄子さんと中川さんには、共通点があることをご存じでしたか!?お二人とも1935年のお生まれ、そして角野さんが1月1日、中川さんが9月9日とぞろ目の誕生日という偶然に私はおどろいてしまいました!

三谷幸喜さんが著書「オンリーミー私だけを」で、当時お昼の時間帯に冠番組の司会をされていたタモリさんとみのもんたさんの誕生日が同じで、将来子どもにお昼の冠番組の司会をさせたいと企む人は、二人と同じ誕生日に出産することをおすすめするというようなことを書かれていたのを思い出し、じゃあ児童文学を目指す方は、ぞろ目の誕生日…!?とちょっと興奮してしまいました!

めぐみ

最後まで読んでくださってありがとうございました。
これからも「ぜひ手に取ってほしいな」と思う本をご紹介していきます!

  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

もくじ