こんにちは。SHIORI BOOKSのめぐみです。
本日ご紹介する本は「よりぬきカツオくん」
「サザエさん」のカツオくん4コマ傑作選です。
ちょっとにくたらしいけどやっぱり子どもなカツオくん
いたずらだけじゃない、ピュアでまっすぐな一面もぜひ見てほしい。
カツオ派の私が自信をもっておすすめします!
「よりぬきカツオくん」ってどんな本?
- 作者:長谷川町子
- 初版年月日:2016年6月30日
- ページ数:96ページ
- ジャンル:漫画
テレビアニメでもおなじみの「サザエさん」の原作漫画の別冊版。全68巻のなかから、カツオくんにフォーカスした選りすぐりの作品集です。4コマ漫画として、戦後直後の1946年から1973年まで各新聞紙面に断続的に掲載されました。
永遠の小学5年生カツオくんが、大人顔負けの空気を読んだおませな行動に出たり、時には子どもらしさを見せたりいろんな表情を見せてくれます。昭和の一般家庭の日常生活、戦後の食糧難や高度経済成長期、当時の流行などが4コマ漫画でユーモアに描かれていています。
こんな人におすすめな一冊
テレビアニメでのいたずら好きでおませなカツオくんが苦手な人に、ぜひ読んでほしい。意外な一面が見られます。
昭和の庶民の生活について関心がある人。ちょっとだけ戦後史の学習に役立つかも。
テレビと4コマのカツオって少し違うよね。アンチカツオの僕も読んでみようかな…(編集担当ナカムラ)
心に残るページとことば
いたずら好きのカツオくんは、いつもお姉さんのサザエさんに叱られています。ある時、道でばったり会った2人。カツオくんはサザエさんを見るなりとっさに走り、サザエさんは追いかけます。その時は、何も悪いことしていなかったのに…。つい反射的にお姉さんをみると走って逃げるのが習慣になってしまったカツオくんですが、ふたりはやれやれといった表情で、サザエさんがカツオくんの肩を抱いて歩いて帰ります。
妹のワカメちゃんにはめっぽう優しいカツオくん。算数の答えがわからず困って黒板の前で下を見ている妹の姿をみて、廊下のガラスにそっと答えを書いて教えたり、外からワカメちゃんの泣き声が聞こえたときは、一目散に助けに行くのですが、慌てたせいで自分が転倒して泣いてしまい、逆に妹に介抱されて帰ってくるという情けない姿も、素直な行動でかわいらしさがあります。
優しいのは妹に対してだけではなく、見ず知らずの大人たちにも優しいんです。魚屋さんにお遣いを頼まれたカツオくんは、道すがら釣りに行った知り合いからお裾分けをもらいます。浮いたお金でアイスクリームを買うのですが、「思いがけない臨時収入があったので…」とホームレスの人にも同じものをごちそうするんです。
真夏に建設現場で働いている人には、家から氷の差し入れをしたり、(サザエさんは、どうせいたずらに使うのだろうとカツオくんの跡をつけて行って、自己嫌悪に陥る)なかなか躊躇してしまう「いいこと」をサラッとやってしまえるカツオくんは、「自分」があってかっこいいなと思います。
まとめ:サザエさんはいつまで生き続けるのか
私が子どもの頃は、たいていの病院の待合室の本棚には「サザエさん」が置かれていたような記憶があります。
読者の性別や年代を問わない内容だからでしょうか。
でも当時幼かった私は、テレビアニメの柔らかい絵のタッチと違うし、漢字も多いし、内容も難しかったりしてペラペラとめくる程度でした。それが20代に入ってから、ふと手に取ったサザエさんの文庫漫画にハマりました。
全68巻のうち7割くらいを妹と協力して購入しちゃいました。
ちなみにテレビアニメのエンディングで流れるストーリーは、原作漫画からのものなんですよ。知っていましたか? 最後まで見ちゃいますよね、アレ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも「これ読んでみて」が口ぐせの私がおすすめする本をたくさんご紹介していきます!
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