論文テーマの決め方と研究の自由について「もっとヘンな論文」

こんにちは。SHIORI BOOKSめぐみです。

本日ご紹介する本は「もっとヘンな論文」という少し変わったタイトルの本です。

世の中には自分の興味に素直に向き合う人がいます。

論文も堅苦しいものばかりじゃないんだ!

本当に自分が知りたいことを研究してもいいんだ!

と思わせてくれる、特に学問アレルギーがある人に読んでもらいたい一冊です。

もくじ

「もっとヘンな論文」ってどんな本?

  • 著者:サンキュータツオ
  • 初版年月日:2017年5月
  • ページ数:255ページ
  • ジャンル:社会科学

学者で芸人の著者。自分の研究分野の論文を読むのに疲れた時に、ほかの人はどんな研究をしているのだろうと図書館でふと手に取った論文を読み始めたら止まらなくなり、いつの間にか「論文収集が趣味」に。

選りすぐりの論文10本の内容と書かれた背景を、時々突っ込み入れつつ軽妙な語りで紹介した2作目。「プロ野球選手と結婚する方法」をいくつものデータをもとにまとめた女子大生の論文や、「花札の図像の考察」についてなど、これが研究になるの?と思うテーマが並びますが、おとなが本気で一つのことを掘り下げると、もうそれは立派な研究だと著者は語ります。

タイトルの「ヘン」には、「よくぞ誰も気に留めないニッチな疑問に注目、研究し見事にまとめましたね!」という、サンキュータツオさんから論文筆者へのリスペクトの気持ちがこもっています。

こんな人におすすめしたい一冊

積まれた古書と人たち

卒業論文のテーマを決めかねている大学生

自分が一番興味があることを突き詰めて調べれば、なんだって学問になるんだということを気づかせてくれます。 

夏目漱石ファンの方

紹介されている論文の中に「『坊っちゃん』と瀬戸内航路」というものがありますよ。あまり日の目を見ないちょっと変わった論文を発見できます。

気になるページとことば

出港する舟と桟橋のイメージ

夏目漱石が東京から愛媛県松山市の松山中学に赴任する際に、どのようなルートで向かったのかを再検証した論文

「『坊っちゃん』と瀬戸内航路」山田迪生(みちお)(2009)「海事史研究」第66号(P204-247)

もっとヘンな論文」 のトリを飾ったこの論文は、2章にまたがって読み解かれ、著者のタツオさんが論文筆者の山田さんを“狂人”と尊敬の念をこめて紹介しています。


漱石の研究者の間では、愛媛には広島から船に乗ったというのが通説で、それは「増補改訂 漱石研究年表」という漱石が生まれてから亡くなる日まで、天気や誰と会ったか、何をしたかが当時の新聞や書簡などからすべてが網羅されている信頼度の高い資料に掲載されているのですが、「船オタク」で論文筆者である山田さんはここに疑問を持ちます。

多くの埋もれてしまったマイナー論文を掘り起こしたこの 「もっとヘンな論文」 がなかったら、私も知る機会はなかったはずです。この「『坊っちゃん』と瀬戸内航路」は、ネットで全文読むことができますよ!

「もう一度大学に行きたいな」「もう一度ちゃんと研究したいな」と思っている人が多くいらっしゃると思うが、再度大学なんて行かなくていい。在野で研究していらっしゃる方はたくさんいるし、学会にはだれでも所属できる。いつ、だれでも、どんな研究でもできる。(P251)あとがきより
 

めぐみ

肩書にこだわっているつまらない私にガツンと、そして希望をくれる一文です。

まとめ:この本と私とのかかわり

大学図書館のイメージ画像

自然保護に携わっている仕事がら、論文を目にする機会は多くあります。

私自身もいつかは…と思い「フィールドの観察から論文を書く方法」(濱尾章二著)を読み、これならいけるかも!と調査対象のテーマをシーズンの始めに考えたりすることもあるのですが、どれも観察回数・事例が圧倒的に少なく、一つも形になるような収穫を得られていません。

でも焦ることなく、いくつになっても何ごとにも関心を持ち続けることが大事なのだ、ということをこの本を読んであらためて感じています。

ちょっとした思いつきですが、私は無類のおかし好きなので、リニューアルし続けるお菓子のロングセラー商品とか、その時代のトレンドやパッケージの変遷などの研究なら、お菓子をもぐもぐ食べながらできるかもしれません…!

めぐみ

これも本気で取り組めば立派な研究になるはずです!!

投稿先は、食品やデザインに関する冊子でしょうか。

でも生来のなまけものゆえ、一人では成し遂げられなさそうなので、共同研究者がいてほしい…!

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